2007年03月30日

ブランドをブランドたらしめる思い

『万葉集』の場合、「見るからにそれだけのこと」の歌が多いのが、特徴だといえるだろう。
「それだけのこと」にあまり手を加えずに歌が出来上がっているということは、歌の完成度が低いということだろうか。決してそうではない。むしろ「それだけのことのもつ力強さ、素材の新鮮さについて考えるべきだろう。とれたての野菜は、塩をかけただけでおいしい。新鮮な魚は、まず刺身にするのが一番。
「それだけのこと」が、それだけで歌になるためには、それなりの理由があるのだ。歌わずにいられない、伝えたくてたまらない、という心からの気持ちが、その大きな要素だといえるだろう。
すべての相聞歌は、言ってしまえば「あなたのことが好きです」ということである。荒っぽい言い方かもしれないが、つきつめていけばそこに収斂されるだろう。が、それを本当に心から味わうことが、一生のうちに何度あるだろうか。
「あなたのことが好きです」と心から伝えたい、言葉にして表現したい、それが恋の歌の生まれる第一歩。「この花の美しさを、なんとか言葉にしたい」、そう思うためには、まず、花の美しさに感じる心がなくてはならない。
『万葉集』という歌集には、「それだけのこと」がそれだけの力で大地に足をふんばって立っている歌が多い。
(俵万智『言葉の虫めがね』角川文庫、2001年、より)




理念を追求し続けられるのは、ブランドに対する思いがあるがあるからであり、このブランドに対する思いが強くなければ理念を追求し、徹底することはできません。一般的に優れた創業者がブランドを獲得しやすいのは、思いの強さが際立っているからでしょう。ブランドや企業には意思や意思をもっていないので、その分ブランドを支える人がブランドの理念を強くもたなければならないのです。しかし、ブランドに対する思い、ないし、ブランドを生み出した信念を貫き通すことは難しいようです。




【関連:理念を突き通すことの難しさ 1】

 Keiziweb. ver β - 名前が長いおにぎり。その2。

以前名前が長いおにぎりの話を書いたけど、久しぶりにampmに行ったらもっと長くなっていた。
長いなー。

「発芽玄米におかか・じゃこ・ごま昆布を混ぜ込んで四万十産の海苔を入れたおにぎり」
だ。

 凄い長い。38文字だ。前は35文字だったので3文字増えた。また、3行から4行に行数まで増えている。このままだときっとそのうちもっと長くなってしまうに違いない。
その鍵は、このおにぎりの原材料に隠されていた。
色々入ってます。
 原材料を見ると、名前に入っているもの以外にも色々入っている事がわかる。例えば、その他。そしてアミノ酸。pH調整剤や増粘多糖類、酸味料やソルビットなど。こうなったらもういっそ、原材料を全て書き出したらいんじゃないかと思う。

で、やってみた。

「発芽玄米と精白米におかか・じゃこ・ごま昆布・その他を混ぜ込んでアミノ酸・pH調整剤・増粘多糖類・酸味料・唐辛子抽出物・ソルビット・カラメル色素・酵素を添加した四万十産の海苔60%とその他の海苔を入れ、あとどこかにその他卵・小麦・大豆・さば由来原料を使っているおにぎり」

 どうだろうか。全部で134文字。2ヶ月で3文字増えていたので、この計算だと64ヶ月後、5年4ヶ月後にはこの域に達すると予想できます。楽しみですね。



《比較参考》
→ サイト内の関連記事:第1回「コンビニブランド力調査」



【関連:理念を突き通すことの難しさ 1】
ダムめぐり/福島談合のダムに迫る/その1 - ダム日和

>個人的に結構ショックなニュースだった。
>ダムな上に前田建設なのである。そう、あのファンタジー営業部の前田建設が、なのである。



《比較参考》
→サイト内関連記事:ファンタジー事業部



【関連:今後に期待】

「選挙PR看板も景観配慮」
条例改正で屋外広告物の規制を強化するなど、あたら死刑完成作を進める京都市が、市役所玄関に掲げる統一地方選の啓発看板を従来の半分の面積に縮小した。これまで「公共目的」として、基準を超える特大看板を例外として置いてきたが、民間への規制を強める中で、「景観に配慮した」としている。

市選管は当初、「今回はデザイン勝負」として、春を意識したピンクの看板を市都市景観課に持ち込んだが、「けばけばしい」とベージュに変えさせられた。これまで「選挙PRは大事」として基準を超える看板を認めてきた同課は、「世の中の醸成が変わった。景観が大事です」としている。
(朝日新聞、2007年、3月17日、抜粋)




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2007年03月29日

ブランドが果たす役割

「手術前に説明文書もほしい」

「年間の手術実績は」と聞くと、ちょっとムッとした表情ながら、数字を言ってくれた。執刀医の失敗歴も聞きたかったが、叔母、叔父の前ではさすがに質問しにくいものだ。
残念だったのは、渡された書類は提出すべき同意書ばかり。手術内容を説明する書類はなかった。これでは、メモをとる習慣がない叔父、叔母につらいだろうと感じた。
結局、手術当日に心配して集まった叔母の兄弟姉妹やその家族には、私がまとめた文書を閲覧してもらった。術前説明だけでなく、資料などを調べて補足して作ったものだ。
叔母の手術は成功、その後の経過もよい。叔父からは「最初は、よく理解できなかったので文書を作ってくれ助かった」と感謝された。
ただ、こうした書類は本来、病院が準備するべきものだろう。そうしている病院も少なくないのだから。
(朝日新聞2007年2月13日、抜粋)



分からないことがあるというのは不安をもたらす一つの要因であり、この様な不安がブランドをブランドたらしめる一因となります。
この不安とは、たとえば、道の先の曲がり角に何があるのかが分からない、目の前にある物が何か分からない、といった不安です。曲がり角の先には何があるのか、そしてそれはどのようなものかが分かれば不安はある程度解消されます。それは言い換えれば専門家になるということです。ブランドは、不安を心理的に減少させる専門家の意見のようなものといえます。



【参考:席選びの不安を解消するちょっとした工夫】

席選びの不安を解消するちょっとした工夫 | S i M P L E * S i M P L E

アメリカのソルトレイクシティーにあるThe Pioneer Theatreの座席表は分かりやすい。
» 元ネタ: [Screens around town] Pioneer Theatre, MailBuild, and Firefox - (37signals)
というのもそれぞれの席から見える景色をWEBで確認できるのです。



【参考:不安の解消方法 その2】

「近ごろ、モデルハウスは『論より体験』」

現実離れした広さ、ホテル風の豪華な内装。ああ、かきむしられる戸建て住宅への夢。そんなモデルハウスのスタイルが、ただいまちょっと変化中。それは、現実的なモデル住宅への宿泊体験サービス。

「商品の良さを分かっていた忠邦は、宿泊が一番」と同社の坂本守さん。
宿泊モデルハウスは04年から始め、11カ所で展開。止まった人の約7割が制約したそうで、タイプ別に3、4棟はしごする人も。
利点は一晩かけて徹底的にみてもらえる点。長所はもちろん、すべてを、だ。
たとえば、無垢板のフローリング。自然素材の質感はあるが、湿気で反りも出る。気密性を活かした屋内は全館空調がウリ。一方で乾燥しがちという面もある。

やがて同行した記者とカメラマンも引き揚げ、午後8時、女性記者1人に。仕事に追われる30歳。はぁ。
久しぶりに味わう解放感。ぴかぴかのお風呂に感激し、出ても寒くなくって全館空調に納得する。
一方、言われていたものの、やはり乾燥気味。のどが渇いて夜中に目が覚めた。
翌朝には高揚感もクールダウン。自分のこたつや本棚を置いた様子を想像すると、だいぶ雰囲気は変わりそう。じっくり考えるという点でも、泊まるメリットはありそうだ。
(朝日新聞、2007年、3月28日、抜粋)



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2007年03月28日

国民性とブランド

「隠しきれない好奇心 − 樫本大進」

のんびりとした口調に虚を突かれた。きりりと締まり、独特の疾走感がある演奏とは、あまりにも対照的だったからだ。
「優勝歴なんてヨーロッパでは1年もすれば誰も口にしなくなるのに、日本ではいつまでもキャリアとして重視される。不思議ですね」17歳までに多くの国際コンクールを制覇しながら、こだわりはみじんも見られない。
愛用の楽器ガルネリは、4弦のうち高音の2本を現代楽器用のスチール弦、低音の2本を古楽器用のガット弦にしている。「チャイコフスキーでは輝かしい高音を、モーツァルトやバッハでは少し時代がかった渋く深い音を出したい・・・。僕ってわがままですねえ」と笑う。
羊の腸で出来ている繊細なガット弦は音程が狂いやすい。演奏中に上の弦と音程が開いてしまうこともあるが、意に介さない。「正確である事って、そんなに重要なのかな」
(朝日新聞、2007年2月19日、抜粋)


肩書きに頼るのは自身の評価能力が不足しているからといえます。音楽が生活に根付いたものである場合、コンサートの選択においてかこの肩書きはそれほど重要なものにはならないでしょう。しかし時々しか音楽に触れることがなけれ場合は、そもそも選ぶ自信もなく、また、1回のコンサートの重みが増すことから、選択にかかる不安は大きくなり、肩書きがブランドとなるのです。
このように、肩書きなどが即ブランドとなるわけではありません。それを取り巻く消費者の特性が大きく関わってくるといえます。




「商品テスト 体力に差」

テストコースを含む東京ドーム28個分の広大な土地を所有するのはNPO(非営利組織)。「コンシューマーズ・ユニオン(CU)」という名前の消費者団体である。
「自動車会社のコマーシャルをみて、セールスマンの話を聴くだけじゃ、この違いはわからないよね」。ずぶぬれになりながら結果をチェックしていたCUのシニアディレクターデビッド・チャンピオンは話す。
CUは年間80台の自動車を購入し、ここでテストする。直線、円形、傾斜をつけたコースでブレーキやハンドル操作の確かさ、横滑りの有無を調べるのだ。そのほか燃費など約50項目の性能試験結果を踏まえてランキングをつけ、月刊誌「コンシューマー・リポーツ」で発表する。
ウェブ版を含めて760万人の購読者を持つ雑誌の販売収入が、年間予算260億円、職員数520人という巨大組織を支える大黒柱だ。雑誌には企業広告を一切、掲載していない。「広告を引き上げられる心配をせず、悪い車を悪いといえる。それが最大の強みだし、CUの使命だ」と、CUのエンジニアは胸を張る。
雑誌での指摘がきっかけとなって、メーカー側が安全性の向上に取り組むこともある。
1963年に創立されたCUは日本の戦後の消費者運動にも大きな影響を与えてきた。
日本消費者協会は1961年の発足時から、家電製品などの商品テストを行い「月間消費者」に掲載してきた。企業からの広告を取らない点もCUと同じだったが、部数は3万部に低迷。03年からは広告の掲載を始め、2年前には商品テストを打ち切った。
日本で最も大規模に商品テストを行っているのは、独立行政法人の国民生活センターだ。年間30億円あまりの予算を政府からもらい、8千万円ほどを各種の商品テストに当てている。
自前の自動車のテストコースもあるが、車は借りたものを使う。購入した車で試験をするCUとは、懐事情に大きな差があるのが現実だ。
(朝日新聞、2007年1月23日、抜粋)





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2007年02月28日

消費期限の権威とブランドの関係

「消費期限 根拠なに?」

「不二家」が洋菓子の消費期限を延ばしていたことなどが明るみに出て以来、期限表示の不備をめぐって商品を回収するケースが相次いでいる。消費者にとっては商品を選ぶ際の大きなポイントとなる情報だが、何を根拠に設定しているのだろうか。
消費期限と賞味期限は、いずれも05年に国が決めた「消費期限表示の設定のためのガイドライン」を源に各企業が独自に消えている。
ガイドラインの委員だった食品産業センターの門間裕企画調査部長は「最近数が増えていくより、風味が悪くなる方が早い場合が多いので、官能検査で出た日数に60〜80%をかけて設定するのが普通」と話す。
具体例を、洋菓子のヒロタ(本社・神戸市)に教えてもらった。シュークリームの場合、細菌検査をクリアした前提で、官能検査で社内のパネリスト10人中3〜5人が「皮が固くなるなど、食感や味に明らかな差が出た」と判断した日の前日を消費期限にする。同社のオリジナルシュークリームは、製造5日目のものの官能検査で差が出たため、製造日を含めて4日間を消費期限としている。
(朝日新聞、2007年2月5日、抜粋)


消費期限というのは、ちょうどブランドと同じように考えることが出来ます。
絶対的な商品の評価能力が欠如しているからこそブランドはブランドとして存在し得るものであり、それゆえに、消費期限が一種の権威として存在し得るのです。そしてまた、専門家でないことから指標の意味をきちんと理解されず、場合によっては軽んじられてしまうことになるのです。
専門的知識や能力を有していない一般消費者にとって、消費期限などの指標はブランドのように過度に信頼されたり、過小に捉えられたりすることになります。


【関連:理解の欠如と過小の評価】
北海道の津波警報 避難1割 『なぜ逃げぬ?』対策会議
択捉島沖の地震で、北海道に津波警報が出た。予想された高さは2メートル。しかし、多くの住民が避難しなかった。スマトラ沖地震で津波被害の恐ろしさを見せつけられた後、国内では初めての津波警報だった。「隣近所も逃げていない」「テレビを見ていても何の変化もない」。逃げない理由はさまざまだ。気象庁は津波予報の迅速化を進めるが、住民の避難にどう結びつけるかが課題となった。
(朝日新聞、2006年11月27日、抜粋)


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